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執筆者の写真進藤 直人

自閉症のしんちゃんが喋った!



駆け込み寺を始めようと思ったきっかけ。


遥か遥か昔の話です。(長くてごめんなさい!)


今で言うスイミングインストラクターをしていた時の話。


小学校低学年で

しんちゃんと言う男の子がいました。


全く言葉を発せず

嫌な事があると

殴る、タックル、噛みつきは日常茶飯事の有様。


ロッカーからプールに行く順路

シャワーを浴びる場所も浴び方も同じ。

いや同じで無いと暴れる。

自分の決めたシャワーの場所に他の子がいると噛み付いたり^^;


声を上げて笑う事もニコッとする事もありませんでした。


自閉症の子を集めたクラスが出来

コース担当をする事となり

時にはその子達のご両親に集まって頂き

話をしたり場合によっては揉めたり叱られたり(^◇^;)


「先生に何が解る!」


「先に死ぬのは申し訳ないけど、親です!

残された子はどうなる。」

と言った具合です。


よく行動を見ていると

しんちゃんは

こちらの事を物陰からじっと見ていて

言葉ではなくボディーランゲージの様なもので大まかな意思が通じる事が分かり何とかしようと

シャワーからプール迄の順路を邪魔したり

当時の浅はかな考えで色々してみました。

言葉で喋っても分かりにくいので

体当たりで挑む?

毎日


特別なクラスではなく普通の子と一緒のコースにしばらく入って貰い

様子を見ていると

子供って流石!

変な先入観無しで

普通に話かける(゚o゚;;

反応しないと

「しゃべれないの?」

と全く遠慮無し。


それでもしばらく子供同士で競いあったり

自由時間に遊んだり。

違うのは泳ぎの速さと言葉を発さない事くらい。


しばらくたったある日

しんちゃんにコースの号令係を任せた所

言葉は相変わらず発さないものの

年下な子の手を引いてキチンと並ばせたり

気後れせず前に立って注目させたり。

そのうち他の子もキチンと並ぶようになり並び終わると

しんちゃん

僕をつついて

「ん!」(並ばせたよ!言う事らしい)と

目の輝きもちょっと変わった様でした。

ちょっと誇らしげな^_^





そんな毎日を送っていると月日が経つのは早いもので

就職をしなければいけない年になり

スイミングクラブで引き止められたものの

スクールにも足が遠のいて行きました。

やがて内定を貰い

スクールを去ることになり


半年位たったある日

先輩インストラクターから手紙を貰いました。


「あなたが居なくなってから

あの しんちゃんが

先生を探しています。」


申し訳ない事をしたなと思いました。


でも

その続きがありました。


「あの誰とも話さない

言葉を喋らないと誰もが思っていたしんちゃんが

昨日私に

し・ん・ど・う・せ・ん・せ・い・ど・こ と聞いてきたんです。


あなたのおかげですありがとう。

あなたが残してくれた財産です。」


思わず涙あふれて来ました。


そのような事もあり後々人の役に立つ事をしたいと思いました。


駆け込み寺なろうと思うまで

相当な時間はかかりましたが。

現在の自分が在ります。


ホームページ

http://shindo-kikou.com/

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